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HISTORY MOTOYAの歩み

MOTOYAの歩み

創業。路上から駐車場へ

阪神大震災で「ふれあい喫茶」という復興を支える目的で運営する喫茶店を紹介していたテレビを観て、災害があるなしに関係なくこのような活動は、今の日本にとり必要があると感じ、起業を決意しました。1996年秋、移動喫茶モトヤエクスプレス1号店は路上営業からスタートしました。

移動しながらの喫茶営業は保健所の営業許可証が発行されますから、決して違法行為ではありません。しかし屋台というものにつきまとうアウトロー的なイメージが立ちはだかり困難な面もありました。こうしたイメージは実際に良い仕事をして改善していくほかはありませんから、毎日懸命にコーヒーを売り、掃除をし、地域の方々との交流を大事にしてきました。

うれしかったのは、応援者が意外なほど大勢いてくださったことでした。やがて地元の方々の暖かいご支援もあって、代官山駅前の駐車場に常設で営業ができるようになりました。

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大企業から出店の要請が。商業活性化ための期待の星となる

世界的なイタリアのアパレルメーカーであるベネトンは日本本社とストアを合体させたベネトンメガストアを表参道に建てて話題を呼びましたが、同社はオープンにあわせてモトヤエクスプレスに常設出店を要請されました。同社会長で世界的な企業家であるルチアーノ・ベネトン氏と社長のファブリツィオ氏そしてモトヤエクスプレス代表の伊藤は、「ユニークで人間味あふれる共感の創造」という共通テーマを追求することで一致しており、同社はベネトンと日本のよい橋渡し役をモトヤエクスプレスに期待しています。現在同店の売上は代官山店にせまる勢いをみせています。

三井不動産株式会社は、日本橋室町の三井本館内の中庭に、室町テラスをオープンさせました。三井本館は歴史的建造物として有名なビルディングで、そのテラスでの喫茶ケータリングをモトヤエクスプレスに要請いただきました。三井不動産の担当女性スタッフの方が私共のフォクシー青山店に来られ、洗練された外観とスタッフのサービスの様子をみて上司に推薦してくださったことがきっかけとなりました。

フランチャイズ制度を導入

創業者の伊藤は学生時代、就職に悩んだ経験がありました。他の学生が大手銀行に決まったとうれしそうにしているのですが、何で銀行に就職することがそんなにうれしいことなのか伊藤には理解できませんでした。伊藤は何か小さな商売からはじめたいと考えましたが、どうしたらいいのかを考えるには経験も実力も不足していました。

結局これぞ自分がやりたいことだということを探すことができませんでした。コーヒーの移動販売というユニークな業態は伊藤が学生時代にみつけることができなかったことを、今の人に提供できたらという気持ちから生まれてきたものなのです。独立開業して仕事をすることはすばらしいことですが、実際は容易なことではありません。

「人間とは何か」チェーンを支える精神的支柱

モトヤエクスプレスは「人間とは何か」を探求する人的資質の集積でありたいと考えています。ロボット技術が社会を大きく変貌させつつある今、「人間にしかできないことは何か」をみつけて提供することが私たちの仕事になるのです。この問題をまじめに考えなければ自らの存在理由を喪失してしまいます。

人間にしかできない「わざ」と「自律」の世界へ

モトヤエクスプレス事業の成功の鍵は「わざ」を磨き「自律」の世界に入ることにあります。そのために自ら実践し加盟店の方々に提言していることが「守・破・離」という日本古来の人生訓の実践です。「守」全てを受け容れ一体化する。「破」熟成された体験から芽吹いてくる創造性をキャッチして「わざ」を磨く。「離」新たな進路を切り拓き自律的に生きる、というプロセスでです。「守」を徹底して実践すると「破」の個性が生まれ「離」にいたるという意味です。

国民金融公庫で資金問題を乗り越えた加盟店も出現

フランチャイズ加盟1号店がオープンしたのは1999年春のことでした。大手飲食店の店長だった30代男性の転進でした。半年間は苦労しましたが、その後は行列のできる繁盛店になりました。フランチャイズ店は翌年東京都稲城市(50代夫婦、金融会社を早期退職)と栃木県宇都宮市(20代女性、電機工場勤務から転進)が開業しました。2001年3月には大阪堀江店(大卒男性)が開店しました。

現在、関東・関西でFC加盟店が20台ほど営業しており、特に郊外店が好調です。国民金融公庫から借り入れをして開業した方もあり、資金的な問題を解決できる道も開かれました。

オリジナルな品質への限りないこだわり

モトヤエクスプレスのコーヒー豆はコーヒー焙煎の急先鋒であり業界の風雲児の異名をとる伊藤素樹の手により日々製造されている。伊藤は虎ノ門の老舗コクテール堂の創業者である林玄氏のコーヒーに出会い、日本にもおいしいコーヒーロースターは存在するという事実を再確認し、その技術の習得と独自の味づくりの旅に出た。日本人の手で世界に輸出できる立派な製品を作ること。このビジョンの実現に向けて日々挑戦中である。 伊藤は手始めに手回しの卓上型のロースターで、ガスコンロの火に当てて焙煎するというミニマルな環境で研究を開始し、その後、柴田書店刊「コーヒー自家焙煎教本」を著された中野弘志先生の教室に入門、本格的な直火式焙煎機の焙煎法と良質な生豆を惜しまず使うグルメコーヒー業界の動向を習得したが、その際これまで中野氏が育てられた生徒のなかで最も優れた才能の持ち主という、思いがけず、ありがたい評価を得て勇気づけられた。

そこで中野氏からコーヒー豆を水で研ぐ技術を伝授された。伊藤にとってこの製法はコーヒー豆が産地において水洗されていることからして、特に新奇な興味は持たなかったが、確かに雑味が減り上品な味わいになることが確認できた。それに加えて、口に入れる飲み物の原料が水洗いされてきれいになることは良いことだと直感した。

伊藤は完成した自社工場で、導入したばかりの大型熱風式焙煎機の大きな装置類が自分に覆いかぶさってくるような空間に一人佇んで悩んでいた。中野氏から伝授された水研ぎの製法を自分のコーヒー豆に応用したが、上品ではあるもののパンチの効いたエスプレッソの凄味をだすことはできないのだ。コーヒーの生豆中の成分が洗浄の過程で失われていると推察された。充分に洗浄しても味が軽くならない方法はないものか?伊藤の悪戦苦闘の繰り返しが続いた。

悪戦苦闘は永遠に続くかと思われたあるとき、コーヒー豆の洗浄に一応の決着をもたらすある方法を突然思いついた。伊藤は代官山の美容室Sunbatheでシャンプーをしてもらっているときにある方法を思いつき、走って自宅の生豆を試験管にいれ、洗浄液で試験管を振った。

結果は思った通り良好だった。その後、洗浄液の原材料や濃度などを吟味した独自のフォーミュラを完成させた。この洗浄方法はエスプレッソ及びコーヒーの雑味を取り去り、しかもエスプレッソ及びコーヒー特有のダイナミックな凄味を強調してくれる、ユニークで確かな製法である。

「モトヤエクスプレスのコーヒーはおいしいと感じるが普段はコーヒーは嫌いだ」という感想(田中知之さん音楽プロデューサー 雑誌ブルータス05/3/15誌上)や、ダイナミックな味と後味の爽やかさを指摘されることが多くある。現在生産され販売されている当社のコーヒー豆はすべてこの洗浄方法で処理され独自の方法で焙煎されたものである。

専用の機械が要らない普通のペーパードリップで抽出しても「おいしさ」に変わりはなく、伊藤はこの方法が一番手軽でおいしいと考えている。お店でもドリップコーヒーは人気の上位にある。

おいしいドリップコーヒーの淹れ方

・ 湯の温度は80度以下で粉は細挽き1杯につき12グラム程度使用する。
・ 給湯は最初はゆっくり。後も粉全体が湯の中で泳がない程度で真ん中あたりを「の」の字を描くようにゆっくり給湯する。

料理評論家の山本益博氏がうわさを聞きつけて代官山駅前店に来店され、「エスプレッソの味は自分がイタリアの菓子職人からたたきこまれたときに基準ができたけれども、モトヤエクスプレスの味はそこの味にひけをとらないものだ」と太鼓判をおしていかれた。(雑誌アエラ05/5/30誌上で)また食文化や暮らしの提案者としてご活躍中のフランス人パトリス・ジュリアン氏も雑誌anan誌上で東京のエスプレッソのうまい店ベスト5にモトヤエクスプレスを2位にランクづけしている。(ちなみに1位は原宿のイタリア人が経営する有名店ペルバッコでしたが、数年前に閉店。)

プロダクトデザインの匠、深澤直人氏はデザインオフィスのコーヒーから自らデザインしたおしゃれな家電製品のショールーム「±0(プラスマイナスゼロ)青山本店」内のカフェに至るまでモトヤエクスプレスの味で統一してくださっている。アカデミー賞を受賞した映画BABELでは日本での全てのロケ現場のキャメラの脇にはいつもモトヤエクスプレスのコーヒー屋台が置かれ、映画撮影を応援した。撮影のひと休みや撮影をめぐり議論を交わす時、モトヤエクスプレスのコーヒーカップはいつものように助監督や撮影監督たちの手に持たれていた。クランクアップのセレモニーのとき、アレハンドロゴンザレスイニャリトゥ監督はこの映画で良い仕事をしたスタッフの名を叫び祝福していった。そのなかでモトヤエクスプレスがこの映画製作に重要な役割を果たしたということで他の優秀なスタッフと同列にその名を呼ばれたことは思いがけず大変栄誉な出来事となった。映画BABELでギャファー(照明技師)担当のロビー氏のコメントを紹介する。

「モトヤエクスプレスのコーヒーを毎日何杯も飲み続けた。にもかかわらず心臓の具合が悪くならず、ちょうど良いテンションが仕事中ずっと維持できた。このコーヒーは本当にすごいぞ!アメリカに来たら俺にもこの仕事をやらせろ。このコーヒーは俺のガソリンのようなもんさ。」

映画BABELのエンドロールにはモトヤエクスプレスのロゴがしっかり刻まれている。

めざすは100年続くコーヒー屋台

モトヤエクスプレスはコーヒービジネスというグローバルな業態と日本人の心が融合しています。百年以上続いている会社が世界で最も多い国、それがヨーロッパでも他のアジアの国でもなく、わが日本国であることは意外と知られていませんが、これは日本の文化と日本人を象徴していると思います。私たちモトヤエクスプレスも以下の経営方針で百年以上続く日本の会社入りをめざしています。

モトヤエクスプレス近未来像

ハリウッドの映画業界にはクラフトサービスとよばれるケータリング市場が広がりを見せており、弊社の新たな挑戦のドミナントを現地に求めて行きたいと考えています。具体的にはコーヒー屋台を持っていこうと現在計画を進めています。また国内においてはお客様に対してより一層楽しいサービスを安全に提供するべく衛生設備の完備したベーカリー工場とデリ・キッチンを備えた業務本部を都内に完成させました。これによりコーヒーの生産とパンやサンドウィッチの自社生産が同時に可能になりましたので、今後は各事業をモデル標準店へ統合する方向で取り組んで参ります。

私たちの歩むスピードはかなりゆっくりですが、まじめに素材づくりから取り組んでいくことで、自然に無理なく統合していけるような展開を考えております。どうぞ皆さん、私たちの作ったコーヒーやパン、スイーツを味わってください。そして私たちと一緒に仕事をしてみませんか。私たちは皆さんの利益を優先して考え、皆さんの繁栄が将来私たちの利益につながるように、皆さんの仕事を一生懸命に支援していきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

皆さんのご繁栄とご健康をこころよりお祈り申し上げます。ありがとうございます。

MOTOYAのこだわり

オリジナルブレンド

【 雑味をのぞく特殊技術 】
豆は産地で洗浄後乾燥され輸入されますが、焙煎直前に弊社考案による技法で処理され、雑味が少ない。それでいてボディーを損なわない余韻に優れたコーヒー豆になるための条件がそろいます。
【 単品焙煎 】
単品ごとに特別な燃焼温度と空気量をタイミングよく調整し、良質の内部構造を保持した美豆に仕上げます。
【 配合 】
焼きあがった豆は冷却され独自の配合でブレンドします。ミルクと良くなじむ味とコクを持たせながら、後味の素晴らしさも両立させる弊社独自の「おいしさ」が完成します。
【 鮮度 】
お砂糖が沈まない程のムースのようなクレーマが新鮮な珈琲であることを証明します。お店では専門のバリスタが滑らかなスチームドミルクとともに、心をこめた一杯をご提供させていただいております。

モトヤエクスプレスの経営方針

  • ① 危機への創造的な適応
  • ② オリジナルな品質への限りないこだわり
  • ③ 後継者の育成への注力
  • ④ 過度な成長、過度なパワーを望まない
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工場

湘南の海に面する小さな漁村の使われなくなった海苔の工場を改装し、コーヒーを毎週焙煎しています。満月の夜、蟹が工場の中を海に向かって歩いていくことも。

焙煎機は30キロ熱風式富士ローヤル製を使用しています。

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